2015年12月22日火曜日

新潟大学農学部食品糖質科学研究室の方々と極上魚沼米を食べました。

 1214日~17日に腸内細菌の糖資化性の研究をされている新潟大学農学部食品糖質科学研究室の中井博之先生、杉本直久先生、修士1年の江口省吾さん、学部4年生の太田尾朱音さん、大森理紗子さんが共同実験をするために腸内細菌共生機構学研究室に来られました。

中井先生から新潟県魚沼産コシヒカリの精米を頂きました。


極上魚沼米。文言に加え、布袋がさらに高級感を漂わせます。


このお米を研究室で炊いて、食品糖質科学研究室の方々と私たちの研究室メンバーで食べました。



炊き立てのご飯。
お米は一粒一粒がしっかりしていて、噛めば噛むほど甘みが出ました。

 あまりにもおいしくて、私・奈良はお茶碗3杯分もご飯を食べました。
 おいしいお米を食べることができたおかげで、午後は元気に実験もすることができました。

食品糖質科学研究室の学生さんは実験中だったので、
一緒にご飯を食べることができませんでした。



 中井先生、おいしいお米を本当にありがとうございました。

2015年12月15日火曜日

腸内細菌を生やすためのひき肉入り培地

 ヒトの腸内には100種類以上の腸内細菌が存在し、ヒトの健康に影響を与えています。この影響について詳しく知るために、私はヒトの腸内で優勢な腸内細菌について研究を行っています。この優勢な腸内細菌のうち上位56種については学術論文で既に報告されています(Nature, 464:59-65 (2010))。私たち研究室では、この56種のうち国内外の菌株保存・分譲機関から入手可能な42種の腸内細菌を購入しました。

 多くの腸内細菌はフリーズドライによって粉末化された「フリーズドライ菌体」の状態で菌株保存・分譲機関から送られてきます。しかし、フリーズドライ菌体のままでは実験に使うことができません。そこで培養を行うのですが、腸内細菌は培養が難しいものが多く、実験でよく使う作製が簡単な培地では培養できない場合があります。腸内細菌は1種類につき約8,000円~40,000円もする高価なものなので、「培養できなかった」ということで、無駄にするわけにはいきません。そこで私は最初に、細菌の保存・分譲機関が腸内細菌ごとに推奨している培地(推奨培地)を用いて腸内細菌の培養を確実に行おうと考え、42種の腸内細菌を培養するために必要な14種類の推奨培地を作製しました。推奨培地はどれも作製法が複雑で、1つの培地を作製するのに1~2日かけなければなりませんでした。

 推奨培地の作製で最も驚いた点は6つの推奨培地に“脂肪を含まない生の牛ひき肉を煮たもの”を入れなければならなかったことです。この肉入りの推奨培地を作製する度に、スーパーで生の和牛ひき肉からわざわざ脂肪を取り除いてもらったものを購入しなくてはなりませんでした。



推奨培地用に購入した脂肪を取り除いた和牛ひき肉。
100 g当たり423円もする高級な肉です。

この真っ赤な牛ひき肉を鍋で煮た後に、


実験というより、料理を作っているみたいです。



様々な工程を経て推奨培地を完成させました。


完成した肉入りの推奨培地の一つ。培地に入っている粒が牛ひき肉です。


 これらの推奨培地に腸内細菌のフリーズドライ菌体を植えたところ、購入した42種の腸内細菌のうち41種の腸内細菌の培養に成功しました。目的の腸内細菌を培養できて安心しましたが、もっと作製が簡単な培地を推奨してほしかったと思いました。

2015年12月8日火曜日

新しい物質の精製実験

 自然界にはこれまでに人類が発見したことのない物質(新規化合物)がたくさんあると考えられます。私・奈良も、ある物質が新規化合物ではないかと考え、2ヶ月ほど実験をしています。この物質が新規化合物であると証明するには、この物質の化学構造を解明しなくてはなりません。物質の化学構造を解明するには、その物質を純粋なものにする必要があります。自然界の物質は、様々なものと一緒に混ざった状態にあり、化学構造の解明には適さないからです。そこで、実験室では「ある物質を純粋なものにする実験」がよく行われ、この実験のことを「精製実験」と呼んでいます。この実験には下の写真のような「カラム」という装置を使います。



自作のカラム



また、カラム内にある茶色の部分には様々な物質を結合させることのできる樹脂(以下、レジンと書きます)が入れてあります。まず精製したい物質を含む混合物をカラムに通して、精製したい物質をレジンに結合させます。この時、レジンに結合しない物質はカラムを素通りしていきますので、目的物質の精製度(純粋さの度合い)を上げることが出来ます。もちろん目的物質以外の物質の中にもレジンに結合してしまう物質がいます。そこで、次は、レジンと物質の結合を解き、カラムから溶出させるための液(溶出液)をカラムに通していきます。溶出液を工夫することで、目的物質のみを含んだ溶液を得ることが出来ます。

 この実験を今年の10月から行っていますがまだ物質の精製には成功していません。溶出液を流している時に溶出液が通るチューブが破れ、精製したい物質を含む溶出液を実験台一面にこぼす、カラムに溶出液を流したまましばらく放置していたら、カラムに液体が流れずにカラムを枯らす(カラムの中のレジンは溶出液に浸った状態にしておかなくてはならないのですが、溶出液をうまくカラムに送れなくなった結果、この液体がなくなり、干上がってしまうことを「カラムが枯れる」と言います。)・・等の失敗を経て、今は写真1の3代目のカラムでの精製に挑戦をしているところです。

 今回こそは物質の精製を成功させたいです。そのためには今まで経験してきた失敗を繰り返さないように心がけようと思います。

2015年12月1日火曜日

第8回北陸合同バイオシンポジウムの実行委員の先生方とスタッフでシンポジウムの反省会を行いました

 11月27日に第8回北陸合同バイオシンポジウムの実行委員の先生方とスタッフで反省会を兼ねた飲み会を行いました。

 もちろん反省会なので、ただお酒を飲んだだけではありません。飲み会の途中で、シンポジウムの参加者の方々から頂いたシンポジウムを評価したアンケートの結果を元に反省会を行いました。

約60項目あったアンケートの結果を全てスクリーンに映しました。



 参加者の皆様のスタッフへの平均評価は5点満点中4.76点で、私はスタッフとしてとても嬉しかったです。

 またスクリーンで結果を見ながら、実行委員とスタッフで今回のシンポジウムの良かった点、改善点を挙げていきました。


積極的に挙手をして発言される本多先生



 最後に集合写真を撮りました。




プロレスラーの武藤敬司さんを真似て集合写真を撮りました。


 シンポジウムスタッフの仕事はなかなか大変でしたが、勉強になることも多く、とても楽しかったです。機会があればまたお手伝いしたいと思いました。