2016年3月7日月曜日

嫌気チャンバー内を整頓しました。

 腸内細菌のほとんどは空気中の酸素に触れてしまうと死滅してしまうために、私たちは腸内細菌を使って実験する場合に、嫌気チャンバーという実験機器を使います。気密が保たれた嫌気チャンバー内には事務机程度の大きさのスペースがあり、外部からポンプで送り込まれる窒素ガス、水素ガス、炭酸ガスが酸素を追い出すことで、嫌気(酸素なしの)状態を保っています。私・奈良は研究室でこの嫌気チャンバーの担当をしており、機械のトラブルや管理上の問題が起こった時には最初に対応をすることになっています。

 今年に入ってから嫌気チャンバー内に置く実験器具が増えたことで、嫌気チャンバー内が散らかってきました。そこで、実験を効率よく行う目的でチャンバー内を整頓しました。



整頓する前の嫌気チャンバー内の様子。




 最近嫌気チャンバー内に仲間入りした実験器具は上段の右側にある7種類の青色のピペットマンです。ピペットマンとは正確な量の液体を吸う器具のことで、私たち研究室では嫌気チャンバー内で行う実験でよく使います。このようにピペットマンが重なった状態で置いてあると、使いたいピペットマンをスムーズに手に取ることができませんでした。

 それを解消するために、ピペットマンを置くための棚をホームセンターで探しました。



整頓した後の嫌気チャンバー内の様子。




 もちろんピペットマン用の棚は売っていないので、代わりとなるものを見つける必要がありましたが、なかなかイメージしていた棚が見つからなかったので店内を4周しました。そしてやっと見つけたものがこちらです。実はこの棚の正体はコップ立てです。



本来の使用方法。このコップ立てを寝かせて棚代わりにしました。



 さらに、このコップ立てを嫌気チャンバーの扉を通じて、嫌気チャンバー内に入れようとするとコップ立ての底面の横幅が大きすぎて扉に引っかかるので入りませんでした。そのため無理やりペンチでコップ立ての形を変えて嫌気チャンバーの扉に入れました。



前面左側にある気密の扉。
見えている小部屋で酸素を追い出しすと、メインの部屋への扉が開きます。
チャンバー前面のボードを外すことは可能なようですが、
その後の気密が保証されないということで、事実上、唯一の扉です。



 ピペットマン用の棚を設置するだけでこれだけ試行錯誤しないといけないとは思いませんでしたが、この棚によってより快適に実験ができるようになったので苦労した甲斐があったと思いました。

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