料理をするときにタマネギを切ると、涙が出るという経験をした人は多いと思います。この原因はタマネギの細胞を傷つけることで、涙の原因となる物質(催涙成分)が出てくるからです。「切っても涙の出ないタマネギ」はこの催涙成分が生成するときに必要なタマネギの酵素の働きを抑制することで、催涙成分の量を減らすことを狙って作られたものです。この酵素は石川県立大学学長の熊谷英彦先生が、ハウス食品の今井真介先生達と行った共同研究の結果、発見されたものです。(なお、この研究は2013年のイグ・ノーベル賞に選ばれています。)
今回、この研究成果を利用してハウス食品により催涙成分の生成を大幅に抑制したタマネギ「スマイルボール」が開発され、熊谷先生が全学向けに試食会を開催されました。
「スマイルボール」を右手に持つ熊谷先生。 新宿の伊勢丹や通販で中玉2つが450円で売られていましたが、 現在は完売していて購入できないそうです。 |
まず試食会では、「スマイルボール」を実際にスライスしたり、切ったタマネギの断面を目に近づけたりすることで、涙が出ないことを参加者全員で確認しました。
スライサーを用いてタマネギを切る私 |
その後、スライスしたタマネギを生のままいただきました。「スマイルボール」は苦労せずにスライスができて、さらに生でも食べやすいので、理想的なタマネギだと思いました。
通常の生のタマネギは辛味があるイメージでしたが、 「スマイルボール」は生で食べても辛味がなくておいしかったです。 |
あまりにも涙が出ないタマネギだったので、自分が普通のタマネギを切った時に、どの程度涙が出るか忘れてしまいました。(私があまり自炊をしていないことも忘れてしまった原因の一つだと思います。)試食会に普通のタマネギを持って行って対照実験をすればよかったと後悔しました。
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